如月 凛のキラキラDiary

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「海苔と卵と朝めし」ラジオダイアリー

今週の凛のラジオダイアリーのコーナーは先週に引き続きおすすめの本をご紹介したいと思います。

私は朗読したいので、朗読に向いてる短編集をチョイスしてしまうんです。

で、今回ご紹介するのは向田邦子さんの「海苔と卵と朝めし」をご紹介させてください。

この本は、向田さんが、いろんな本で書かれた食に関するエッセイを

一冊にまとめた本です。

副題として“食いしん坊エッセイ傑作選”と書かれています。

食いしん坊で有名だった向田さんですから

食べ物について書かれたものは、とにかく面白くて、どれもおいしそうで

しかも、ほろっとしたり、あったかい余韻が残る話だったり。

さすがです。

向田邦子さんの生まれが1929年なので

全体的に、私の知っている昭和より一世代前になるのですが

それでも、なんといえない懐かしさを感じるから不思議です。

特にいいなあと思ったのは朝ごはんの話。

かまどの火を起こしてご飯を炊いて、鰹節を削る。

昨夜からつけておいた漬物を取り出して切る。

表を通る納豆屋を呼び止めて買う。

朝の空気感や、においや温度が、そのまま伝わってくるようで

ああ、こういう風に朝が始まっていた頃があったんだなあって思う。

台所の湯気の気配とか、ご飯の炊ける匂いが、ページから立ち上り

心の中が、あったかくなります。

お母さんがご飯の準備をしている横で

おばあちゃんが海苔をあぶって、パリパリと八等分する。

(ここを読むだけで、海苔のいい香りがぷーんとしてくる…)

大人は一人8枚

子供には、それをさらに半分に切ったものが一人8枚

同じ枚数だけれど、子供は大きさが小さいから、向田さんは不満なの。

(ワカル、ワカル)

で、一膳目から海苔でご飯を食べてはいけない

一膳目は味噌汁で食べて

2膳目のごはんで初めて海苔を食べることが許される

それが向田家のルールだそうで

それも向田さんは不満だったんだけれど

それは、お父さんが、子供はたくさんご飯を食べて大きくなるように

という、やさしい気持ちなんです。

ところが、ある時

弟君が、上あごに海苔をくっつけて、大騒ぎするという事件が起こって

お父さんが激怒、

「子供には海苔を食べさせるな!!」

以来、子供は海苔なしで、生卵の朝ごはんに代わる。

ああ~~~~・・・。

そんな家族の風景が生き生きと描かれていています。

私の子供のころには、かまどもなかたtですし、納豆売りとか

知らないし。。。

今とは全然違って不便さが目立つけれど、丁寧に生活されてる風景が

とてもおいしそうに思えるんですよね。

しかも京都人はパン好きですよ。

パンが朝ごはんって方、多いんじゃないかなー。

いずれにしても、向田さんのエッセイは

文章がうまいので、とにかく面白く

出てくる食べ物がどれもおいしそう。

美味しいもの好きな人には、おすすめの本です。


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